アンモナイトを描こう(最終回)

平巻きアンモを縦方向にも変化させると

 いよいよ最終回です。今回は異常巻きアンモナイトに挑戦します。異常巻きアンモの中でも比較的 描きやすいのはユーボストリコセラスでしょう。平巻きをそのまま縦に引き伸ばしてやると、なんとなく それらしくなります。肋が進行方向に垂直ではなく、常に下面に対して垂直になっていることに注意して ください。(つまり、何も難しいことをしなくて良いということ)
ユーボストリコセラス風 大きな画像  プログラムソース

残念ながら幼殻部分が無い・・・


超難解な巻き方に挑戦

 アンモナイトといえばニッポニテスを忘れるわけにはいかないでしょう。この種の巻き方も今までと同様に 計算式で求めることができます。ベースとなる式は今までと同様ですが、係数に工夫が凝らされています。 計算式は「Prehistoric World」さんを 参考にさせていただきました。
 計算式があるのだから、単純に球を並べるだけなら簡単です。しかし、りっぱな肋を描こうとすると非常に厄介です。 実際のニッポニテスの肋は進行方向に垂直であったり、または斜めに向いていたりと変化に富んでいます。 それを、そっくり真似るのは困難なので、ここではすべて「進行方向に垂直」として考えました。 つまり、殻口の進行方向が判れば、肋の描画ができます。しかし、前述の式は殻口の中央が辿るXYZの座標を 求めることができるだけです。この式を、「殻口が向かう方向を表す式」に変換できれば良いのでしょうが、 私はそんな高等な知識を持ち合わせていません。そこで、前回と今回の殻口の中心座標の差から殻口の向かう方向を 割り出すことにしました。正しい方法かどうかは別にして、それらしく描ければよいので、という ことで割り切りました。しかし、1回の移動量なんて極僅かです。本当に求まるだろうかという不安がありましたが、 結果はご覧の通りです。十分に実用になるようです。
 ニッポニテス・ミラビリスは成体住房に立派な肋が現れます。住房部付近で、通常の肋から大きな主肋だけに変化させる ようなプログラムを組んでいます。
ニッポニテス風 大きな画像  プログラムソース

いつ見ても格好いいですね。本物を採ってみたいものです。


巻き方が途中で変化する厄介なアンモに挑戦

 和泉層群で憧れのアンモナイトと言えば、プラビトセラスにディディモセラス。最後に、このディディモセラスを描いてみます。 ディディモセラスは、初期は塔状に巻き、その後平坦に近く巻き、もう一度塔状に巻いた後、最後にU字型に垂れ下がるという 厄介なアンモナイトです。これを一気に描画するのはさすがに無理なので、3つのパーツに分解して描画し、それを合体させて ひとつにするという方法を取りました。接続点をできるだけ目立たないようにすることがポイントです。 また、最後のU字型の住房を描くのに「ベジェ曲線」を応用しました。今度は殻口を描くのではなく、住房自体の曲線を描くためです。  さて、その出来栄えは、こんな感じです↓。和泉層群のアンモナイトらしく黒色で描いてみました。
ディディモセラス風 大きな画像  プログラムソース

やっぱりディディモはいいなぁ・・(自己満足)

4回に渡り連載しました「アンモナイトを描こう」は如何でしたか?
皆さんも是非挑戦してください。 「こんなの作ったよ!」というのがあれば送っていただけると嬉しいです。

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